アリルスルファターゼ

アリールスルファターゼは調べられているすべての生物種がもっており、リソゾームに局在する酵素として知られている。アリールスルファターゼは疾病に伴い発現量が大きく変化することや、アリールスルファターゼ遺伝子の変異により重篤な脳機能障害が起きることから、従来から研究の蓄積が多かった。しかし、生体内の基質や機能などはまったく不明であった。

(1) ウニ胚でもアリールスルファターゼ活性はリソゾームに局在するが、リソゾームに入りきれないほど(胚の全タンパク質の0.5%)存在することが明らかになった。また、アミノ酸配列からは細胞外に存在することが予想された。

(2) ウニ胚ではアリールスルファターゼの大部分は酵素としてはなく、胚の細胞表層に存在し、モルフォリノアンチセンスオリゴによるノックダウンにより形態形成運動が特異的に停止することから、形態形成運動の足場となる細胞外マトリクスとして機能することを明らかにした。

(3) 哺乳類のアリールスルファターゼの機能に関しても解析している。

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